(本ブログはアスリックニュース2022年9月号からの転載である。)
それぞれの所属組織における役割が異なっているのも、今の私のパラレルな働き方の特徴である。
特に教育機関とDMOでは大きな差がある。
それをPDCAサイクルに当てはめて比較していきたい。
非常勤講師先の教育機関では、前もって当該機関と合意したシラバスに沿って、毎週の授業を準備、実施した上で、生徒・受講生を評価する。
まず大きな計画(Plan)を最初の授業前に構想する。
カリキュラムから規定され与えられた内容をベースに、具体的なシラバスを私が検討する。
その結果が機関を通じて生徒・受講生に知らされる。
次に毎週の授業前に小さな計画(Plan)を準備し、授業を実施(Do)する。
授業後にはミニレポートやリアクションペーパー等にて教育効果を計測(Check)し、その結果を次回の授業に反映(Action)する。
これらのサイクルはほぼ私に任される。
全ての授業が終わると、生徒・受講生および自身の授業について総合的な評価(Check)を行い、次期の授業の改善(Action)につなげる。
これらについては私が行った上で機関に報告し、必要に応じてフィードバックがもたらされる。
以上が、各科目で半期あるいは通期で繰り返し行われていくことになる。
すなわち非常勤講師先の教育機関では、プレイヤーとしての役割に重きを置きつつ、限定的なマネージャーとしても振る舞うことが求められる。
一方で非常勤役員先のDMOでは、プレイヤーとしての役割は薄く、ほぼマネージングに集中することが求められる。
業務の大半が、社内外における会議や打ち合わせおよびその準備で占められる。
そこでは方針や交渉についての判断や決断を行い(Plan)、そして業務の進捗や業績について評価(Check)を交えつつ改善の方向性(Action)を提示する。
実行(Do)に大きく関わることはない。
P・C・Aについても部下が原案を作成し、私はそれに口出しするだけである。
マネージャーとしての役割は、以前、コンサル会社で役員をしていた時期に経験済みではある。
しかしながらプレイヤーとしての役割がここまで削ぎ落とされる経験は初めてだ。
基本的に私は、性格上でも資質上でも、プレイヤーが好きでありマネージャーとしての適性は欠けているという自覚がある。
求められる役割がパラレルとなり、中でもマネージャーに特化すべき時間帯は、私にとって手探りでチャレンジングなものとなっている。
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