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執筆者の写真江川誠一

パラレルワーカーな日々④

(本ブログはアスリックニュース2022年11月号からの転載である。)


シリーズタイトルに、「パラレル」というワードを用いた理由がいくつかある。

「並行」という言葉の意味するところが、今の私の状態にとてもよく当てはまること。

「パラレルワーカー」という音がなんとなく心地よく感じたこと。

要するに、他の言葉よりしっくりきたからである。


同義や類似の意味を持つ言葉がいくつかある。

漢字だと「兼業」、「副業」、「自由業」。カタカナだと「フリーランス」や「スラッシュ」など。

これらがしっくりこなかった理由を以下に述べてみたい。



「兼業」は、1人が2つ以上の業を兼ねている状態を指し、その点は問題ない。

ただ、「合わせて1つ」や「掛け持ち」というニュアンスを感じるので、積極的には使いたくない。

私にとってそれぞれの業は、一つ一つくっきりと存在し掛け持ちしているという意識はない。

そして「副業」は、「主」に対する「副」をどうしても感じてしまうため、私の状態には全く当てはまらない。


「フリーランス」は、「Free+Lance=自由な槍」であり、中世の傭兵が語源とされているようだ。

かつては「自由業」という言い方の方が普通だったと記憶しているが、現代的にはカタカナが主流だろう。

特定の組織に属せず、独立しているというニュアンスが強めで、それに加えて若干のお気楽さを感じ取ってしまう言葉だと思う。

私の状態に合っているとも言えるが、そこが一番に表現したいところではない。


「スラッシュ」はオードリー・タン(※)が用いて有名になった。


―20年後は、会社員、教員というような職業の枠組みはなくなり、基本は「/」(スラッシュ)になる。社会が複雑になるなか、一人一人が持つ多様な力が、様々なコミュニティを横断できるスキルやノウハウ、コミュニケーション能力として発揮されることが求められる。―


「スラッシュ」は好きな言い方だが、また日本では一般的ではない。

ちなみに、ヒトの状態についてこのワードを当てるのは、オードリー・タンの言葉の前にアメフトで知っていた。

攻撃と守備でメンバーが全て変わるのが標準のアメフトの世界で、両方に出るプレイヤーをスラッシュと言い、実際に母校のアメフトチームにスラッシュがいたのだ。

今だと「二刀流」と言った方が通りやすいだろう。

ただ、私の状態は「二」ではないのでこれは採用できない。


※台湾デジタル担当政務委員を経てデジタル発展部の初代部長

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