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執筆者の写真江川誠一

パラレルワーカーな日々⑧

(本ブログはアスリックニュース2023年7月号からの転載である。)


世の中は不思議なもので、偶然のタイミングに安堵することがあれば、必然のタイミングに感謝することもある。


非常勤専務理事を務める観光地域づくり団体では、前年度以来、管理人材の不足が課題となっていた。

そこで私は専務理事の所掌から降り、あるいは離れ、社内の人事、総務、業務など現場での管理業務に深く関与するようになっていった。

当然ながら本来担当する新規業務が疎かになり、地上の守りは固められたかもしれないが攻めは低空飛行にとどまった。

幸か不幸か、コロナ禍という特殊事情の元では、それで許容されていた。


しかしながら新年度、経済・観光が再始動のターンに入り、観光地域づくり団体に守りと攻めの両方が求められるのは必定となった。

私が軸足を大学教員へと移したタイミングにて、このままの人員体制だと当該団体側にも軸足を置いておかねばならず、どっちつかずとなる恐れが生じていた。


そこにこの5月から、強力な人材が入社することとなった。

時を同じくした偶然のタイミングに安堵した。

軸足を置くのではなく、誤解を恐れずに言えば軽やかなステップにて、本来の所掌に専念することができる。

新しい仲間から見れば、そのタイミングは必然とも言え、本当に世の中は不思議なタイミングの組み合わせで満たされていると感じた。



もう一つ、時を同じくして大きく動いたのが、高校非常勤先で関連する事業である。

当該事業は国の公募に採択され、補助金で運営されており、私の報酬もそこから出ている。

今年度はその3ヵ年事業の最終年度であり、次年度以降も継続するには、別の補助事業や自主財源の確保等の仕込みが必要である。


この重要な節目においてフェイドアウトすることを、昨年度の早い段階にて私は宣言した。

自身の重要な役割を自覚しつつも、他のパラレルな仕事から劣後させざるを得ないと。

少し冷徹に言いすぎたと反省しているが、そのはっきりとした言葉が、周りをプランBへと突き動かしたのだろうとも思う。


新年度入り後、関係者は私の時間的制約を汲み一定の役割を与えた上で、新たな体制を整え、事業をこれまでにも増して強く前進させている。

自走化に向けた積極的働きかけは、学外を巻き込んだ大きなうねりとなって次年度に結実すると確信している。

その姿勢には尊敬の念を、配慮には感謝の念を強く抱く。


永遠に交わらないながらも、永遠に遠ざかることもない。

それがパラレルであり、そこには様々なタイミングが交差しているのだと感じる日々である。

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