豪雪の記憶が残るなか、当たり前のように春が駆け足で通り過ぎつつある。我が家でも4月半ば頃からタケノコが出てきた。4月末で累計200本余りの収穫である。よく採れる年を表年と言い、1年交替で表、裏を繰り返すのだが、表年のはずの今年、いまだその勢いは見られていない。
竹冠に旬と書いて筍。一旬とは十日間のことであり、タケノコは約十日間で竹に成長することを表しているとも言われる(注1)。まさに旬の食材。大いに楽しみたいものである。
タケノコ栽培に適した竹密度は1,000 ㎡あたり250本と言われている(注2)。本数管理を行い、親竹に十分な太陽光を届かせることにより、よいタケノコが生えてくるのだ 。我が家の竹やぶは約750㎡。180〜190本が適正値と思われるが、ざっとその3倍は生えている。昨秋にかなりの古竹を整理したのだが、まだまだ適正値には程遠い。
また、よいタケノコを発生させることのできる親竹は5年生までとも言われている。すなわち、6年生以上の竹を毎年伐採するとともに、生えてきたタケノコの中から有望な親竹を残すことにより、5年生までの親竹で適正な本数となるよう計画的に竹やぶを管理することが求められている。
タケノコは地上に頭を出してから約 1 ヶ月で 親と同じような高さの竹になる。3 年前から、タケノコとして収穫せず親竹にしたものに西暦の下二桁を記してい る 。目の高さのところにある節に、直接黒マジックで「15」、「16」、「17」と 。5年生までで 180 〜 190本にするには、毎年 36 〜 38 本のタケノコを残せばよいという計算になるが、ついつい掘りすぎてしまい、そんなには育てられていない 。
要は、古竹の思い切った整理こそが、最重要課題であり、その後、数年かけて、よいタケノコを発生させるための適正かつ安定的な状態を作り出すことが求められている。 今は、タケノコの収穫とともに親竹にすべきタケノコの見極めを行っているが、その時期が終わったあと梅雨までに相当数を間引くことを予定しておきたい。
最後になったが、我が家はタケノコ農家ではないことを申し添えておく。
注 1 : 諸説あり、語源とまでは言えないようだ。
注 2 : 山形県森林研究研修センター「孟宗竹栽培管理マニュアル(山形県版)」平成29年
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