top of page
検索
執筆者の写真江川誠一

最近の若者は... 果てしないギャップ

担当科目の1年生の授業がスタートして約2ヶ月が経過した。

男子比率と敦賀比率が高い。

まあいい。

4年ぶりに元気な導入ゼミになりそうな予感。

最近の学生は、

アラ還の右肩上がり社会を前提とした思考を一顧だにせず、アラフィフがもつバブリーな幻想を親世代のノスタルジーと捉え、アラフォーの凍えるような絶望感とそこからくる画一的安定志向に興味がなく、アラサーの厭世観と楽観主義とデジタルがカオスになった世界観とも違う。

生きてきた環境と大学の状況等が少し特殊なのだ。

典型的な例が、当学では2年前から始まったGPA(注1)。

優/良/可/不可のみならず点数を気にする学生と教員。

劇的にとまではいえないけど意識の高い学生はフル単(注2)かつ点を取りに来る。

60点でラッキーと喜び、余剰単位捨てまくりのおじさんとは大違いの時代。

今の現役学生は、思春期に津波と原発事故と超ゆとりのお兄さんお姉さんを見せられながら脱ゆとりを駆け抜けさせられ、10代半ばからキャリア教育とアクティブラーニングを試行させられ、ソーシャルネイティブ第一世代と勝手に定義づけされ、それらのレッテルや武器を活用せずともどこかに就職できる環境にあるものの、人気の会社等に入るには過酷な競争にさらされる。

一方で、悠々と若者を選んできた側が、人材不足を嘆くとともに彼らとの意識のギャップに戸惑いを隠せない時代。

やりたいことよりやりたい立ち位置や関係性を主張する若者に、物足りなさを感じることも。

承認欲求は確かに強いが、そこに媚びた側に大したリターンは得られない。

どの世代の中でも人それぞれが基本である。

それと同時にどの世代にも固有の特徴がある。

少しずつ時代が変わってきているのも確かである。

それを理解しようとせずに自分達基準の常識や価値観を押し付けようとしたり、これまでとこれからに自分達と同じ経験が不要で違う経験が必要だと想像できなかったり。

「最近の若者は…」とか「経験を積めばわかる」とか一方的に言う大人。

なりたくないが、確実にそうなりつつあるから困ったものである。

注1:Grade Point Average.各授業の評価点をGPに変換し、単位数で加重平均したもの

注2:履修登録した全ての単位を取得すること


(アスリックニュース2019年6月号で執筆したコラムの転載)

閲覧数:369回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Commenti


bottom of page