複雑で難解なことを、専門家や為政者等が一般人に解説・誘導しようとする場合、単純で平易な論法にまとめ明快な結論を示すか、複雑で難解なまま広がりのある結論を示すか。
本来、専門家や施政者にさえ複雑で難解なことを、その道の素人へ単純で平易に、かつ全てを正確に伝えることは不可能である。その変換には必ず省略や飛躍や置換・比喩があり、それが善意からくるリアルなのか悪意からくるフェイクなのかの見極めが実に難しい。
かと言って、複雑で難解なままでは、残念ながら世の中に伝わりにくいのが現実である。
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人を乱暴に、コミュニケーション力と善悪度の2軸から4象限に分類してみる。
> 伝え上手な善人
> 伝え上手な悪人
> 伝え下手な善人
> 伝え下手な悪人
伝え上手な悪意ある専門家や施政者等がいて、その人がある不誠実な意図を持って不正確な論を流布するケースが最も困った事態であり、悪い人でも伝え下手であればあまり実害はない。
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古来より一般に人は、単純で平易な話が心地良く、複雑で難解な話は生理的に拒否しがちである。ややこしい... なにを言いたいのかわからない... 結論が曖昧... などと退ける。
今は巷に玉石混淆のまま数多の論が溢れ、誰もがそれらに指先でアクセスできる時代である。おまけに、納得する論をうまく探し当てたら、それを周りの人達に指先一つで広めることが可能な時代でもある。
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地頭と客観性と情報リテラシーが高い一般人でも、その道の素人が故に、悪意ある専門家や施政者等の巧妙な罠にころっと騙される事がある(特に無自覚なパニック症状の時)。
その場合、強いインフルエンスで善意の拡散が連鎖していく。
逆にそれらの高さの自負が付け入る隙となり、結果として悪貨の闊歩を手助けしてしまう。繰り返すがそこに悪意はない。
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こうして、伝え上手な悪意ある専門家や施政者等の論が、伝え下手で誠実なそれを目立たなくし、隅に追いやり、駆逐していく。また、伝え上手な悪い人と善い人との論戦は、どちらも省略や飛躍や置換・比喩を内在しているため、お互いの弱みを簡単に突くことが可能であり、その姿を見せられる一般人は、混乱し、不審を抱き、分断されていく。
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(厭世観な問題提起のみ。結論をあえて無責任に言うならば「冷静にいこうぜ!」)
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